こんにちはベーシストのjophoneです。今回は初心者におすすめのベース用プリアンプエフェクターを何点かご紹介していきます。これ一個だけあれば大体使えるものや合わせて使うといいかもなんてものもご紹介させていただきます。
ベース用プリアンプとは?
ベース用プリアンプ (Bass Preamp)とは、ベースギターの信号を最適化・加工してアンプやPA(音響システム)へ送るための機器です。以下にその仕組みや役割、種類を詳しく説明します。
プリアンプの基本的な役割
音質の整形(イコライザー)
- ベースの信号にイコライザー(EQ)をかけて、低音・中音・高音のバランスを整える。
- より太くしたりスラップに向いたトレブル感を出したりと、音作りの中心になる。
信号の増幅
- 実はベースからの信号は非常に小さい(ラインレベル未満)
- この弱い信号を適切なレベルまで持ち上げる。
- 特にパッシブベース(内臓プリアンプがない・9V電池を使わない)タイプには重要。
音色のキャラクター付加
- アンプに似たキャビネットシミュレーションや、真空管風のウォームな音色を加えることも可能。
- 特定の「ブランドサウンド」(例:AmpegやAguilarなど)を再現できるモデルもある。
主な使い方
ライブでのDI(ダイレクトボックスとして)
- プリアンプにはDI出力(XLR端子)が付いていることが多く、PA卓に直接送ることができる。
- DIとしてPAに送る用で1つ、アンプから鳴らす用で1つの計2つで使うやり方もある。
(ライブハウスではDIからの出力とアンプからの出力の2つを使用する場合が多い) - アンプなしでもライブができる(アンプシミュレーター機能付きなら特に便利)
レコーディング
- レコーディング時にベースの音を調整し、クリーンかつバランスの良い音を録るのに最適。
- DAW(音源編集ソフト)に直接入力してもいい音になるように調整されてるモデルが多い。
エフェクトボードの中心機材として
- プリアンプをエフェクトチェーンの中心に置いて、ほかのペダルと組み合わせる。
- 音の芯や、方向性を作るベース(土台)となる。
プリアンプのタイプ
- ペダル型
↳コンパクトで持ち運びやすい。大体みんな持ってるのはこれ。 - ラック型
↳プロ用音響機材に組み込まれているようなタイプ。ラックマウントできるタイプのベースアンプを使用してる方などは一緒のケース内に組み込める。ただし持ち運びは不便。重い。 - ベース内蔵型
↳アクティブベース(9V電池をつかうタイプ)に内蔵されているタイプ。手元で音色をコントロールできる。
おススメプリアンプ3選
ここからはおススメのプリアンプを3つご紹介していきます。
1. MXR M80 Bass D.I. +
こちらのMXR M80 Bass D.I. +(通称:M80)は、多くのベーシストに非常に人気の高いプリアンプ兼ディストーションペダルです。クリーンな音作りから攻撃的な歪みまでこなせる万能機種として定評があります。
基本スペックと特徴
- プリアンプ
- イコライザー(3バンド)
- クリーン・ディストーションチャンネル切り替え
- DIアウト (XLR)
- パラレルアウト
- エフェクトループ (SEND/RETURN)
主なコントロール部分の解説
- EFFECT・DISTORTIONスイッチ
↳エフェクトオンで本体が起動。ディストーションスイッチで歪みチャンネルが使える。 - クリーンチャンネルのボリュームと、3バンドのEQ(イコライザー)
↳DISTORTIONがOFFの時のプリアンプボリュームと低音・中音・高音域のレベルが調整できる。 - DISTORTIONチャンネルのツマミ
↳・DISTORTION VOLUME:歪み音の音量を調整。
・BREND:原音と歪み音のバランスを調整し、音の芯を保ちながら歪ませることができる。
・GAIN:歪みの強さを調整します。
・TRIGGER:ノイズゲートの感度を調整し、不要なノイズを抑制します。
(下のGATEスイッチを押すことで機能します) - COLOR・PHANTAM/GROUNDスイッチ
↳・COLORスイッチ: 中域をカットし、低音と高音を調整することで、スラップ奏法に適したドンシャリサウンドが得られます。
・PHANTOM/GROUNDスイッチ: ファンタム電源の使用や、グラウンドループの回避に役立ちます。(DIとして使用する場合にONにする)
サウンドの特徴
クリーンから歪みまでカバーできる多機能なベース用プリアンプ/DIボックスです。
特にクリーンチャンネルは自然でフラットな音質のため原音に近いサウンドを保持してます。
(colorボタンを入れたときのサウンドは良くも悪くもMXRらしいと言われますが、、)
ディストーションチャンネルもパワフルなミッドレンジで抜けが良いのも特徴で、原音とどのくらいブレンドするかによっても音作りの幅がかなり広がります。
プリアンプとはなんぞやという方の勉強的な意味合いも込めておススメの一台です
2. SansAmp Bass Driver DI
SansAmp Bass Driver DI(サンズアンプ)は、Tech 21というアメリカのメーカーが製造する、ベース用プリアンプ/DIボックスです。1990年から多くのプロに愛用されている超定番機種で、レコーディング・ライブ・宅録問わず使える「1台でプロの音が出せる」ペダルとして有名です。
基本スペックと特徴
- プリアンプ
- コントロール部分:LEVEL.BREND.Treble.Bass.Drive.Presence(Middle.Middle Frequency:V2という機種にのみ搭載)
- クリーン・ディストーションチャンネル切り替え
- DIアウト (XLR)
- パラレルアウト (標準フォーン)
主なコントロール部分の解説
左上から順番に、、、
- LEVEL:出力の音量を調整。ミキサーやインターフェースへ送る信号の強さもここで決定。
- BREND:クリーンとSansAmp回路音(エミュレート)をミックス
原音を強めに出せれば芯のある音、SansAmp寄りにすればウォームなトーンになる。 - TREBLE:高音のEQ(±12db)で、煌びやかさをコントロールできる。
- PRESENCE:中高域のアタック感と明瞭さを強調。ピッキングニュアンスが際立つ。
- DRIVE:真空管アンプ風のサチュレーション(温かい自然な歪み)を加える。
0~MAXまで滑らかに変化し、ロック・ブルース・ファンク等に対応。 - MID:中音域のボリュームをコントロール(±12db)
他のEQと連動して、音の芯・存在感をコントロール可能。 - BASS:低音のEQ(±12db)で、重低音をコントロール。
- PHANTOM&GROUND:ミキサーからのファンタム電源を使用する際に使う(DIとして使う場合)
- +10db・1/4:アウトの音量レベルを10db上げるか、1/4にするかのセレクター
- -20dbXLR:XLRアウトの音量を20db下げる(DIのパッドスイッチのような機能)
- Shift 500/1000:ミッドの中心周波数を500hzから始めるか1khzから始めるかのセレクター
- Shift 40/80:低域の中心周波数を40hzから始めるか80hzから始めるかのセレクター
サウンドの特徴
真空管アンプのような温かみと存在感のある音色が特徴で、今回紹介したこちらはV2となっておりMIDのツマミが増えたことによってさらに音作りの幅が広がりました。
音の質感としては、非常にウォームで有機的。Driveノブを上げれば自然な感じでサチュレーションがかかり、アタックはなめらかに、音の芯は太く保たれます。
歪みも原音とのミックスが可能なので、歪ませまくってもローエンドが失われず安定した低音感・ベーストーンが維持されます。かなり使い勝手の良い機種です。
ALBIT A1992B PRO
ALBIT A1992B PROは、日本の老舗ブランドALBIT(アルビット)が製造する、真空管を3本搭載したベース用プリアンプです。往年の名機「1992 SUPER BASS」をベースに設計され、ヴィンテージ感あふれるサウンドと現代的な機能性を兼ね備えております。
基本スペックと特徴
- プリアンプ
- 真空管搭載 (12AX7×3本)
- 入出力端子
・インプット
・チューナーアウト
・リターン
・アンバランスアウト(アンプ・DIにつながる端子)
・バランスアウト(ミキサーみつながる端子) - コントロール
・ボリューム1/ボリューム2
・TREBLE/MIDDLE/BASS
・CROSS/BALANCE VOLUME/MASTER - スイッチ
・MUTE
・BOOST FREQUENCY (ブースト周波数)
・GAIN BOOST
各コントロールの詳細
☟ツマミ類☟
- VOLUME1 / VOLUME2:低域(VOLUME1)と高域(VOLUME2)の音量を個別に調整可能。
これにより、音のバランスやドライブ感を細かくコントロール可能。 - TREBLE / MIDDLE / BASS:
3バンドEQで、高音域(TREBLE)、中音域(MIDDLE)、低音域(BASS)の調整が可能。 - CROSS:中音域の周波数帯を調整するノブで、ミッドのキャラクターを変化させることが可能。
- BALANCE VOLUME:バランス出力(ミキサーにささる方)の音量を調整可能。
- MASTER:プリアンプ全体の出力音量をコントロール。
☟スイッチ類☟
- MUTE スイッチ:出力を一時的にミュート(音が出なくなる)できる。
- BOOST FREQUENCYスイッチ:特定の周波数帯をブーストし、音の存在感を強調します。
- GAIN BOOST:ゲイン(歪み)を増加させ、より強いドライブ感を得ることができます。
サウンドの特徴
こちらは真空管ならではの温かみと自然な歪みを持ち、ヴィンテージ感あふれるサウンドが特徴です。特に中低域の厚みと高域の抜けの良さが際立ち、ジャンルを問わず幅広い音作りが可能です。また、CROSSノブやBOOST FREQUENCYスイッチを活用することで、ミッドのキャラクターや音の存在感を自在にコントロールできます。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
かなり絞って今回は3点ご紹介させていただきましたが、筆者が使ってみたりして特に良いなと思った機種達なので、ご参考にして頂けると幸いです。
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